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レントゲン検査について 〜概要編〜

皆様こんにちは。診療放射線技師の井原です。

今回は当院でも行っている「レントゲン検査」について、コラムを書きたいと思います。

 

 

 

まず、レントゲン検査ですが、色々な呼び方があります。

「レントゲン」「単純X線撮影」「一般撮影」

これらはどれも同じ意味であり、いわゆる"骨の写真"を撮る検査です。

このコラムでは、イメージがしやすい「レントゲン検査」で話を進めます。

 

 

 

余談ですが、医療業界にも業界用語(略語)が多くあります。レントゲン検査でも例外ではありません。

健康診断でよく撮影される胸部レントゲンの呼び方を筆者は「胸写(キョウシャ)」と呼んでおり、宮崎県(本部)に赴任していたときは当然仕事でも使っていましたが、静岡に来てからはそれが通じませんでした。「胸写(キョウシャ)の撮影終わりましたー!」と言っても周りの表情が " ? " なのです。これも一種の方言なのでしょうか...

 

 

さて話を戻しますが、

他の検査であるCTやエコーよりも、比較的多く受けたことがあるのが「レントゲン検査」だと思います。

当院でも画像診断の中では最も多く実施されている検査となります。

そんな身近な存在となっているレントゲン検査ですが、

今回のコラムでは

 

 

"レントゲンの歴史"

"検査時の注意点(服装など)"

"医療以外のレントゲン"

 

 

について、書いていきます。

最後まで読んでいただき、レントゲンを受ける際の不安が少しでも無くなれば幸いです。

 

 

"レントゲンの歴史"

 

 

今日まで世界中で実施されているレントゲン検査ですが、決して歴史が長いわけではありません。1895年にドイツの物理学者であるレントゲン博士(ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン[1845~1923])によってX線が発見されてから歴史が始まります。

"X線"の由来は「目に見えない不思議な光」から名付けられました。

そのX線を発見したレントゲン博士に因んで、現代では"レントゲン検査"と呼ばれています。

日本で初めてレントゲン装置が設置されたのが、1898年に東京帝国医科大学(現東京大学医学部)と陸軍軍医学校の2つとなります。

現代での利用目的の一つである骨折などもそうですが、当時は身体の中に弾丸が残っていないかどうかを確認する為にも用いられていたようです。

時代背景から、現代の日本では弾丸の確認という症例はほぼ無くなりましたが、病気を明らかにするための検査として、100十数年経った今もなお発展し続けています。

 

ここでも余談ですが、『見えない光(X線)を用いることで見えない病気を見る(診る)ことができる』という事、そして危険でもある見えない光(X線)を使いこなす仕事はカッコイイと思い、筆者は診療放射線技師を目指す事となりました。

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画像1 レントゲン博士と世界で初めてのX線写真(レントゲン博士婦人の手)

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画像2(筆者の手)

 

 

"検査時の注意点(服装など)"

 

 

病気の有無や、程度を評価するために検査を行うわけですが、検査を受けられる皆様に協力いただきたいことがあります。

それは服装です。

前述の通り、レントゲンは身体の中(骨や臓器)が見えるようになるわけですが、金属やプラスチックなどを身に着けていると、評価の妨げになってしまいます。

そのため、検査の直前に服装や金具等の確認をさせていただいております。

実際に検査を行っていると、金具やプラスチックは皆さんおおよそご存知のようです。

しかし、

 

・顔料が含まれたプリントTシャツ

・分厚い刺繍のロゴマーク

・ラメやビーズ等の装飾

・厚手の生地(パーカー、トレーナー等)

 

というものも、検査の質を落としてしまいます。

検査を行う際は、十分確認させていただきますが、思わぬ場所から可愛いロゴマーク(○ッキー)が映り込むなんてことも...笑

しっかり評価を行うためにも、ご協力をお願いいたします。

とはいえ、緊急時やさまざま理由で、金具等外せない方もいらっしゃるかと思います。

極論どんな服装で来られても、検査用のガウンを準備しておりますので、心配せずご来院ください。

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写真3 金具等が写り込んだレントゲン(筆者の胸部レントゲン)

 

 

 

 

 

 

"医療以外のレントゲン"

これまでは、医療機関でのレントゲンについて書かせていただきましたが、レントゲンは医療以外にも様々な場所で応用されています。

例えば、空港の荷物チェック。重厚な機械に通されて、荷物の中身を見られています。

荷物を開けてもいないのに、『ペットボトルが入っていますか?』なんて聞かれるのも、X線を利用し、透過されているからなのです。

他にも、

 

 

・工業用で材料などの内部の構造や欠陥を調べる"工業用X線非破壊検査"

・物質の構成元素の分析を行う"X線蛍光分析"

 

 

など、様々な場面でX線は利用されています。

machine_nimotsukensa.png

写真4 荷物検査の機械イメージ

 

 

最後に・・・

今回はレントゲン検査、つまりX線を用いた検査を紹介させていただきました。

X線は放射線の一種ですが、放射線にはα線、β線、γ線、中性子線など、たくさんの種類があります。

そして、放射線=危険というイメージも強くあると思います。そして人類が扱うもので最も慎重になるべきであるものと言っても過言ではありません。

しかし、取り扱いを誤らなければ私達にとって非常に有益になるものであるとも言えます。

現に、レントゲン検査のように現代医療では切り離せないものになっています。

"薬も過ぎれば毒となる"というように、私達も放射線の事をよく知り、理解できるよう説明をした上で皆様に検査を受けていただけるよう、努めてまいります。

 

どこかで、放射線の被爆(ひばく)についてもコラムを書こうと思います。

2021/06/14 Wrote